エンジンが回転しない (焼きつき)

バイク 車のトラブルシューティング

バルブの焼きつき

油温 水温の上がりすぎやオイルの流れる通路がふさがった為に起きやすい 
焼き付いた場合は ヘッド交換が必要 
バルブだけ交換ではすまない場合が多い バルブの焼き付きは バルブガイドの打ち替えも必要となり 高温になっているために ヘッドが熱によりひずみが発生している場合が多い 

バルブの焼きつき

カムシャフト ロッカーアームの焼きつき

油温 水温の上がりすぎやオイルの流れる通路がふさがった為に起きやすい 焼き付いた場合は ヘッド交換が必要 
ロッカーアームだけ交換ではすまない場合が多い ロッカーアームが焼き付いていると多くはカムシャフトも大きな傷が入っていることが多い 高温になっているために ヘッドが熱によりひずみが発生している場合が多い 
カムホルダーの焼きつきもある いずれもオイルが粘度低下し油膜の形成が難しくなると起きやすい 

燃料ポンプ配管

シリンダーピストンの焼きつき

燃料ポンプ配管

焼き付いた原因をよく調べること オイルが原因と短絡的に考えてはいけません 油温が上昇して焼き付いた場合は なぜ油温が上昇したのかの原因究明をしましょう 
油温計では100℃でもピストンリング部分は150℃を超えます 劣化したオイルを使用しすると油膜の保持が出来なくなりますから低速であっても焼きつきが起きます 
油温計で120℃を超える様な走りをすると リング部分の温度は200℃を超えてきます 
ピストンも温度に比例して膨張していきます 膨張すると シリンダーとピストンとのクリアランスが狭くなり 直接シリンダーとピストンがぶつかり合う事になり 焼き付きにつながります 

デトネーションと間違いやすい オイルが原因ではありません 
デトネーションとは焼きつきとは違い衝撃波をともなった爆発です 衝撃波によりピストンリングが折れたり ピストンに穴が開いたり 溶け落ちたりするのがデトネーションです 
圧縮時にノッキングが起きますが これらはコンピューターで点火時期を制御されてデトネーションを防いでくれていますが キャブ車などの古いエンジンは点火時期を制御しているのはポイントです 少しでもずれるとデトネーションが起きてピストンに穴が開いたりします 

コンロッド小端 大端ベアリングの焼きつき

メインベアリング

クランクシャフトの焼き付きの原因の多くは油温です 
油温が上昇すると金属も膨張します 当然クランクシャフトも油温が上昇すると クランクシャフトも膨張しています 
メタルとのクリアランス(隙間)が狭くなり 十分なオイル供給が出来なくなり潤滑が不十分となります 
劣化したオイルを使っていた場合 油膜の保持が出来なくなります 
結果焼きつきを引き起こすことになります 
つまり原因はオイル管理不足 
画像はクランクが焼きついた時のメインベアリング 

メインベアリング

画像はメインベアリングの摩耗した状態 
焼きつきの状態と比較して欲しい 

トランスミッションのギヤ ベアリングの焼きつき

トランスミッションも高温に晒されています 
油温が100℃を超えることもあり油温の上昇に伴いギヤなども膨張します ベアリングも膨張します 
1/100の精度で作られたベアリングなどは ひとたまりもありません 

トランスミッション

焼きつきの原因

焼きつきの原因はズバリ“油温” 油温管理 オイル管理不足が原因です オイルの質が悪いからとよく言われていますが そうではありません そのオイルが持つ特徴を把握せず使うと焼きつきます 

トランスミッション

そもそもエンジンオイルは100℃で設計されています 

これはどこのメーカーでも同じです 
その為性能表は油温60℃の動粘度と油温100℃の動粘度が表示されています それを超える温度は粘度が大変低くなっていきます 
低くなると比例して油圧も下がります 粘度が低くなると油膜の保持が困難になっていきます 

エンジンオイルは熱による劣化と経年劣化する

熱による劣化

あまり知られていない事ですが 油温が100℃を超えると 10℃超えるごとに2乗のスピードでオイルは劣化していきます 2倍ではありませんよ 2乗の速度です 

オイル製造にたずさわる者であればこれは常識です 

例えば5000km使えるオイルは110℃で2乗の速度で劣化するのですから 4倍速で劣化するのです 4分の1の距離しか使えないことになります 

120℃だと4乗ですから8倍速で劣化すると言う事です どんなに高い耐熱性を持っている化学合成オイルであっても8倍速で劣化です 計算上 距離にしてわずか625kmです 

何故なら熱による劣化は“ベースオイルが劣化するのでは無く” 配合される添加剤が先に劣化するからです 自分では交換したばかりだし サーキットも30分ぐらいしか走っていないから大丈夫と思いてはいけません 

経年劣化

油温が上がらなくても経年劣化により粘度は低下していきます せん断と言われる劣化です 添加剤の分子がちぎれてしまい 粘度低下を起こしてしまいます 

単純に粘度低下する訳ではありません 
粘度が低下すると粘度特性が変化します 粘度特性が変化すると潤滑が変化します つまり一つの性能が変化すると 全てが変化してしまいます もちろんエンジン保護性能にもリンクしていますから 劣化すると保護性能も落ちていくことになります 

粘度特性とは ≫

コールドスタート時に焼きつきを引き起こします 

粘度低下を起こしたエンジンオイルはコールドスタート時に油膜の形成が出来なくなって 焼きつきを引き起こします スピードを出していないにも関わらず焼き付いてしまう原因の一つにオイルの粘度低下があります 

コールドスタートのお話 ≫

対策

焼きつきを予防するためには ”オイル管理”その中でも油温管理が大変重要です オイルは粘度低下を起こしてしまうと油膜の形成が難しくなります その粘度低下を引き起こす原因はやはり油温です 油温を適正温度で管理することです それには粘度低下を起こしにくい設計です しかも “RIZOIL“は油温を低下させる能力も持っています 

RIZOILとは ≫