エンジン積み替え時の注意

積み替え時の注意点と オーバーホール時の注意点

エンジン積み替え時の注意

ここでは積み替え時の注意点と オーバーホール時の注意点を述べていきたいと思います 

エンジンが何らかのトラブルによりオーバーホールしなければいけなくなり 予算的にもオーバーホールよりもエンジン積み替えが安くなる場合があります 

中古エンジンはインターネットオークションなどで 安く販売されているものも多いようです 中古エンジンに積み替える場合できるだけリビルドエンジンを利用する事をお勧めいたします 

リビルドエンジンのメリット

保証が付いている 

デメリット

高い 

中古エンジンを買う場合の注意

メリット

安い 

デメリット

どんな状態のエンジンかがわからない 

走行距離が短いから安心では無い!長期間停止しているエンジンはNG!
こんなトラブルが発生する可能性があります 

1. エンジンが停止してから5年10年と経つと エンジンの中にサビが発生している場合もあり 始動と同時にサビがエンジンの中を駆け巡り傷が入ってしまう事もよくある話です 

2. 長期間動いていないエンジンは 油膜切れを起す場合もあり 金属にフレーキング(金属が油膜切れを起こすことで ウロコ状に剥がれ落ちる事を言います )が起きてエンジンヘッドから異音が発生してしまう事もあります それだけでなく 剥がれ落ちた金属片がエンジン内部を駆け巡り 更に傷を入れエンジンにダメージを与えることになります 

3. 長期間動いていないエンジンはシリンダーに傷が入り 白煙の原因になる場合もある 画像の傷はピストンリングの合口の角で傷が入ったもの 

4. 長期間動いていないエンジンは オイルが劣化しピストンリングを固着させてしまっている可能性もあります その場合白煙を出す可能性がある 特にオイル管理が悪いエンジンはリングが汚れたオイルによって固まってしまい 白煙の原因になります 

以上の事例は旧車でないエンジンであっても同じ事が言えます 10年前の車が走行20,000km とても良さそうに思えます 走っていなくても エンジンを定期的に動かしているならば良いのですが 動いていない期間が長いとサビの発生 油膜切れでエンジンを始動することになるので 購入後不調になる事もしばしば発生しています 

画像は長期間動いていないエンジンのオイルパン
私なら10年落ち20,000kmと2年落ち 走行100,000km どちらを選ぶかと言うならば 後者を選びます 

エンジンは動いている間は潤滑しているので 油膜切れになることは無く その為タクシーなどは500,000km走行も可能になってきます

アメリカなどは国土が広いので 一度に走る距離が多いのです 100,000km走行ぐらいが慣らし運転と言われているぐらいです エンジンの始動停止が少ないほどエンジンは長持ちします 

愛車やバイクに対する思い入れがあるならば オーバーホールをお勧めいたします 

注意点:オーバーホールすれば新品同様になると思わないでください 

新品パーツに全て交換したくなります オーバーホールするショップは極めて慎重にオーバーホール作業を行なっています しかしショップでは出来ない作業があります その作業は内燃機屋と言ってシリンダーをボーリング(拡張)したり バルブガイド ブルブシートを打ち換えたり エンジンヘッド エンジンブロックを研磨したりする所です 

出来上がってきたパーツをショップで組み立てていきますが 古くなったエンジンパーツは 場合によって不具合が出てしまう事もあります 

オーバーホール後白煙が出るようになった 
異音がするようになった 
すぐにエンジンが壊れた 

交換しなければいけないパーツを予算がないからと言って 交換しない場合などによく見られるトラブルです オーバーホールする時は ショップと綿密な打ち合わせを行ってからパーツ交換をいたしましょう 

以下のものは基準値以内であれば交換しないほうが良いものです 

・バブルガイド

・バルブシート(基準値外でもカットで対応可能なものはカットで対応)

・メタル(基準値以内であれば交換しないほうがエンジンはよく回ります)

特にバルブガイド バルブシートは要注意 打ち替えの際 ヘッドを加熱してバルブガイド バルブシートを交換します 加熱の際ヘッドが変形してしまう場合もあります バルブシート バルブガイドは液体窒素でキンキンに冷やして金属を収縮させてから 加熱したヘッドに打ち込みます 温度差があると 場合によっては金属が割れる事もあります 目に見えないマイクロクラックという割れが発生してしまう事もあります 

故にオーバーホールすれば新品同様になるとは必ずしも言えないのです 確かな技術を持った内燃機屋とショップにお願いしましょう 
オーバーホール済みエンジンと書かれている中古車 

ヘッドを開けて部品交換は一切しないで点検することをオーバーホールと言うショップもあります オーバーホール済みと書かれている中古車は 必ずどの部品を交換したかを確認しましょう 

長期間乗らない時の車 バイクを保つための対策 

1. 長期間乗らない時は 定期的にエンジンだけは始動する様にしましょう オイルを循環させエンジン内部を錆びさせない様にします 

2. 乗っても乗らなくても 走行距離に関わらず一年に一回はオイル交換が必要です 例え1,000kmしか走っていなくても交換です 一年前のエンジンオイルは空気に触れることによって酸化していますから もったいないと思わずに必ず交換しましょう 

3. タイヤを地面から離しましょう ジャッキーアップするなどし タイヤが地面に着いたままだとタイヤの一部が潰れてしまいます 

4. 燃料は満タンにしましょう 一年以上同じタンクの中のガソリンを使わないこと ガソリンは劣化します 腐ってしまう前に使い切りましょう 

5. ガソリンタンクのさびに注意しましょう さびが発生するとキャブレターや燃料フィルターを目詰まりさせてしまいます 

一番良いのは乗り続けることでしょう 

絶版車を維持するために